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地球ワーキングトラベラー見聞記

カナダ、アメリカ、オーストラリアの永住権を持ち、ヨーロッパでの滞在経験もあります。世界100カ国以上回った、私の見聞記を楽しんで下さい。

アラスカ独特のシステム?

私は夏の間しかアラスカにいないので、
冬のことは殆ど知りませんが、
餌が少なくなる冬の期間は、
アンカレッジ市内の道路を歩く、
ムースを見かけることがあるそうです。

年間400以上のムースが、
ジョージパークスハイウェイで
事故にあって死んでいます。

観光客、交通量の多い夏の方が
事故が多いと思っていましたが、
実は12月から3月にかけてが、
ムースの事故は多くなるそうです。

ムースの餌が少なくなるので、
人が住む都会まで出てくるだけでなく、
歩きやすいハイウェイに出てきます。

ムースが活動するのは日の出や日没、
この時間帯は出勤や帰宅など、
人が車で移動すころと重なります。
そのために事故が多発するようです。

事故死した野生動物を食べることを
法律で禁止している州もありますが、
タンパク質源が少ないアラスカでは、
事故死したムースを食べれるからこそ、
豊富に得ることができます。

事故死するのはムースだけでなく、
あるときは熊などもいます。
そして事故死した馬なども、
このシステムの対象になっています。
人口が少なく広大な土地を持つ
アラスカだけのユニークな制度です。

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    アラスカの野生動物 ムース

アラスカムースフェデレーション

事故死したムースの死体を、
道路脇で解体している姿を
以前は見ることができましたが、
2016年から連邦政府の援助で、
新しい取り組みが導入されました。

アラスカムースフェデレーションは、
事故死したムースの死体を
事故現場にトリに来ます。
ちょうど事故で動けなくなった車を、
レッカー車がけん引しに来るようにです。

アラスカムースフェデレーションは、
毎日24時間営業していますが、
アンカレッジ、Ma-Tsu、キーナイ半島、
そしてフェアーバンクスの都会のみ。

事故死したムースを引き取ったら、
処理場で解体してパックして、
ロードキルリストに登録した人や、
チャリティー施設に配分しています。

ここで働いている人たちは、
殆どがボランティアのようですが、
もともとあまり助成金がないので、
どんどん予算が不足していて、
いつまで営業できるか分かりません。
もしそこが営業を止めたら、
以前のシステムに戻ります。

あまり牧場などないアラスカでは、
お肉は本土から輸入に頼っています。
ライセンスを持ったハンターたちは、
一年分の食料を賄うこともできますが、
貧乏人はスーパーで買うしかないのです。
野菜も、お肉も魚も高いアラスカです。

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   アラスカの野生動物 ムース

事故ったムースの死体はどうなる?

車と接触して事故死したムースを、
そのまま道路に放置してはおけません。
夜間は暗くなるので、死骸が見えません。
その死骸に車が触れて事故になります。
何と言っても車は100kmで走行しているので、
ちょっと触れただけでも大きな事故に繋がり、
人が死んでしまうことだってありえます。

またムースの死骸を食べに、
カラスなどの鳥類だけでなく、
熊がやってくることもあります。
そのために事故死したムースの死骸は、
直ぐに道路から取り除く必要があります。

「ロードキルリスト」に登録すると、
そんな事故死したムースの死骸を、
タダでもらうことができます。
ムースは700kgあると言われており、
その肉は家族4人で普通に食べても、
約ひと冬分の食肉になるそうです。

低所得者が多いアラスカでは、
充分なお肉を買う収入もないので、
このリストに登録してお肉を貰った人は、
必要な栄養が取れると喜ぶそうです。

事故が発生すると警察が出動して
事故の確認や処理をします。
ムースがすでに死んでいたり、
怪我をしても生き延びれないと分かると、
銃殺して処理をすることになります。

「ロードキルリスト」に登録した人に、
警察が電話をかけ取りに来てもらいます。
登録した人は道路わきで肉を処理して、
そのまま家に持ち帰ったと聞いています。

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   アラスカの野生動物 ムース

ムースと自動車の事故

バンを運転しているドライバーとして、
一番先に頭に浮かび上がった思いは、
「自分でなくて良かった」という言葉でした。

私ひとりでも事故にあいたくないけど、
ましてやホテルのお客さんを乗せているとき、
それも7人の別々のお客さんを乗せていたら、
事故死した場合、私だけの責任では終わりません。
ホテル側の責任も追及されることでしょう。

夜のドライブ―が危険なのは、
ムースが道路に飛び出してくるからです。
馬ぐらいに大きなムースにぶつかったら、
乗用車だけでなく、こんなバンだって、
無事でいられるわけはありません。

誰か死ななかったかしら?
あんな3台も事故にあったのかしら?
事故にあった人を助けるために、
停まった乗用車かもしれないけど、
本当に夜の運転は昼間よりも怖いです。

ムースは車の音に驚いて飛び出すのか?
ヘッドライトの光を怖がって飛び出すのか?
たまたま道路の側で草を食べていただけかも?
ちょうど道路を渡ろうとしていただけかも?

でも運が悪いとムースと事故ってしまいます。
大きなムースを避けようとして、
事故にあうドライバーが多いそうです。

眠っているかと思っていたお客さんですが、
その事故の様子を見ていたかもしれません。
バンの中で言葉を交わすこともなく、
無言のままでその場を通り過ぎました。
私は自分の安全を神さまに祈るだけでした。

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   アラスカの野生動物 ムース



真夜中の交通事故

私たちはバスは運転しませんが、
私のいる部門にはバンが数台と、
普段はマネジャーが使う自動車が3台、
時にはこの車を使うこともありした。

普通の自動車なら運転も楽ですが、
15人乗りのバンは私にとって大型なので、
広大なアラスカと言っても緊張します。
ましてや夜間に時速100kmで走るのは、
い眠りと動物に注意しなければなりません。

ホテル出発時はまだ薄暗かったけど、
途中でガソリンを入れ、2時間も走ると、
どんどん暗くなっていきました。

ワセラの街に入る前に、
遠くに明りが煌々と光っていました。
どうやらパトカーの明りのようです。
飲酒運転の検問かスピード違反?

片側2車線の緩やかで大きなカーブの所で、
スピードを落としながら走っていくと、
視界には数台のパトカーが目に入りました。

私が運転している側ではなかったので、
スロー運転しながらそのまま通り過ぎましたが
一瞬だけ見たその光景は今でも忘れられません。
真っ暗だったので、詳細は分かりませんが、
その事故には数台の車が関わっていました。

パトカーの照明に映りだされたその中には、
反対側の溝に横転している車が一台、
手前と向こう側に停まっている車が1台づつ、
そしてその中央に見えたのは、
まるでスポットライトを浴びているいるような、
道路に倒れたムースの姿でした。

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   アラスカの野生動物 ムース


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